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白内障手術で使用する眼内レンズ

眼内レンズの選び方(どの距離の見え方を大切にしているかを考える)

眼内レンズの選び方(どの距離の見え方を大切にしているかを考える)

眼内レンズとは、白内障手術で、切除した水晶体部分の替わりに目の中に埋め込むレンズです。
眼内レンズは直径6mm程度で、目の中に固定するためのループが付いているものや、プレート状の形をしたものがあります。
眼内レンズにはいくつか種類があるため、見え方や日常生活を考慮して、適したレンズを選びます。

ピントが一番合う位置で選ぶ

眼内レンズは、水晶体とは異なり、すべてのものにピントを合わせるようなピント調整機能はないため、眼内レンズを選ぶ際には、ご自身の生活と照らし合わせて、近く、中間距離、遠くの、どの距離でピントが合う必要があるかを考慮してレンズを選択する必要があります。
また、手術後も眼鏡などが必要な場合があります。

生活スタイルで選ぶ

ピントが合う位置だけなく、生活の中で最も大切にしているものや、最も行っている時間が長い作業などの生活スタイルに合わせて、必要な眼内レンズを選ぶ方法もあります。
見たい範囲が裸眼で明るく見える眼内レンズが適しているとされます。

手元~1m以内に合わせる

場面 スマートフォン 新聞・読書 PC・事務作業 食事 料理
距離 ~30cm 30cm~50cm 50cm~70cm ~50cm 70cm~1m

1m以上遠くに合わせる

場面 会話・団らん テレビ 散歩 スポーツ 車の運転
距離 ~1m 1m~2m 1m~3m ~5m 5m~

眼内レンズの種類

単焦点眼内レンズ

単焦点眼内レンズとは、遠方・中間・近方のどこか1つに焦点が合うように作られた眼内レンズです。
ピントを合わせた距離の範囲内のみ鮮明な視野が得られます。そのため遠方に焦点を合わせた場合は、手元を見るための老眼鏡が必要になり、近方に書店を合わせた場合は遠方を見るための眼鏡が必要になることがあります。

単焦点眼内レンズはすべてのレンズが保険適用であるため、レンズの選択肢が豊富にあります。

トーリック眼内レンズ

トーリック眼内レンズとは、白内障の治療をするとともに、乱視を軽減することができるレンズで、単焦点レンズと多焦点レンズの両方が選べます。
トーリック眼内レンズは、角膜の歪みによる乱視の矯正に適しているレンズであるため、乱視の種類や目の状態によっては向かない方もいます。

乱視

乱視とは、角膜や水晶体の形状の歪みが原因で、ものがぼんやり見えたり、重なって見えたりする目の屈折異常を指します。
乱視の見え方は人によって異なります。

多焦点眼内レンズ

多焦点眼内レンズとは、遠方・中間距離・近方までの広い範囲にピントが合わせられる眼内レンズです。
幅広い範囲でピントが合うため、ほとんどの場合に裸眼で生活することが可能ですが、一部の場合で見えにくい距離を補助するための眼鏡が必要になることもあります。
レンズの種類によってピントが合う範囲も異なるため、患者様の生活スタイルなど、様々な要因を考慮してから使用するレンズの種類を決めていきます。
また、多焦点眼内レンズではハロー・グレアと呼ばれる夜間の光が見えにくくなる現象が起こりやすい特徴がありますが、この現象を抑えることができるレンズもあります。

パンオプティクス Pan Optics(選定療養対象)
※保険診療自己負担分+追加費用

米国のアルコン社が2019年に発表した3焦点型の多焦点眼内レンズです。遠方から近方までの幅広い距離をカバーする点が特徴です。
従来のアルコン社製ReSTORレンズが苦手としていた薄暗い場所での中間距離や近距離の作業においても、大幅に改善されています。また、非球面レンズによるボケの低減や、薄黄色に着色することでの網膜保護機能も引き継がれています。
さらに、同社独自の技術により瞳孔径が大きくなると遠方への光配分が増え、グレア現象やハロー現象を抑える工夫も施されています。
日本国内で流通しているため、納期が短く、手術をすぐに受けたい方にも推奨します。

ファインビジョン Fine Vison(選定療養対象)
※保険診療自己負担分+追加費用

ベルギーのPhysiOL社が開発したこの多焦点眼内レンズは、遠方・中間距離・近方の3つの焦点を持つことで、幅広い視界を提供します。
アポダイズド回折型の設計により、レンズの中央部と周辺部が異なる機能を果たし、遠方と近方、遠方と中間距離の2種類のレンズを1枚に統合しています。そのため、このレンズは自動車の運転、スポーツ、パソコン作業、テレビ視聴、読書など、さまざまな距離で良好な視力を保ち、裸眼で過ごせる時間がこれまでのレンズの中で最も多くなります。
また、アポダイズド回折型の特徴として、グレアやハローなどの現象が少なく、ブルーライトカット加工も可能です。このため、多様な生活パターンに適応しやすく、現在国内で最も選ばれているレンズの一つとなっています。

インテンシティ Intensity(自費診療) 
※手術費用 全額自己負担

イスラエルのHanita Lenses社が2020年に開発した多焦点眼内レンズは、5つの焦点を持つ先進的な製品です。このレンズは、遠方・遠中・中間距離・中近・近方という5つの距離に対応しており、40cmまでの近距離も含め、どの距離でも視力の落ち込みがないのが特長です。
さらに、回折型レンズの欠点であるハローやグレアを最小限に抑えています。レンズ自体の光エネルギーのロスもわずか0.5%で、非常にクリアな視界を途切れることなく提供します。
このため、日常生活のさまざまなシーンで活用でき、どの距離でも快適に見える、多機能な眼内レンズです。

レンティスコンフォート LENTIS Comfort
※保険診療自己負担分

国内で初めての 保険適用の多焦点眼内レンズ です。 遠方から中間距離までの見え方に優れ、読書などの近方作業には老眼鏡の使用が必要になる場合がありますが、自然で質の高い見え方が得られます。ハロー・グレアといった夜間のまぶしさも抑えられており、術後の違和感が少ない点が特長です。
乱視矯正モデル(トーリック)もあり、運転やテレビなどの日常生活での快適さを重視する方に適しています。

ヴィヴィティー Vivity(選定療養対象)
※保険診療自己負担分+追加費用

アルコン社が開発した焦点深度拡張型(EDOF)眼内レンズで、独自の「X-WAVEテクノロジー」により、遠方から中間距離まで連続したクリアな視界を提供します。
一般的な多焦点レンズで起こりやすいハローやグレアを抑えた構造になっており、夜間の運転や暗所での作業も快適です。近方の見え方はやや弱いため、細かい作業時には眼鏡の併用が必要になることがありますが、日常生活において裸眼で過ごす時間を長くできるレンズです。

多焦点眼内レンズで気を付けること

多焦点眼内レンズを選択する場合は以下のことに気をつけましょう。
なお、目の形状や検査結果によっては多焦点眼内レンズが適さない場合があります。

見え方が合わないことがある

以下の方は、多焦点眼内レンズが合わないことがあります。

  • カメラマンやデザイナー、歯科医などの精密に見えることが必要な職業の方
  • 夜間に運転する機会の多い方
  • 白内障以外の目の疾患などにより医師が不適と判断された方

ハロー・グレア

ハロー・グレアとは、光の周囲に輪が見える「ハロー」と、光をまぶしく感じる「グレア」という現象で、多焦点眼内レンズを使用した場合ではハロー・グレアが出やすい特徴があります。
夜間に車を運転することが多い方は、眼内レンズを選択するときに検討が必要です。

コントラスト

コントラストとは、光の明暗や色の濃淡のことで、コントラストの違いを見分ける能力のことをコントラスト感度といいます。
多焦点眼内レンズを使用すると、コントラスト感度が低下することがあり、手術後次第になれる方もいますが、違和感が残る方もいます。

慣れるまで時間がかかる

多焦点眼内レンズを挿入した後は、すぐに良く見えるようになるとは限らず、通常は見え方に慣れるまでに数週間~数ヵ月かかります。
遠近両用の眼鏡やコンタクトレンズの使用経験がある方は比較的早く慣れるとされています。

眼鏡が必要なこともある

多焦点眼内レンズを選択しても、眼鏡を併用した方が良い場合もあります。
見えにくい場合は眼鏡を併用しましょう。

選定療養適用レンズの費用

EDOF(焦点深度拡張型眼内レンズ)

  乱視なし 乱視あり
クラレオン ビビティ 319,000円 352,000円

※EDOF:焦点深度拡張型眼内レンズと呼ばれます。従来の多焦点レンズが苦手とする遠方から中間距離(約70cm~50cm)までを自然に見えるようにします。ただし、約30cmの近距離視力は弱くなる場合があり、読書時に眼鏡が必要なこともあります。

3焦点

  乱視なし 乱視あり
パンオプティクス 319,000円 352,000円
ファインビジョン 319,000円  

自費の眼内レンズの費用

インテンシティ

  乱視なし 乱視あり
インテンシティ

片眼 770,000円
両眼 1,540,000円

片眼 820,000円
両眼 1,640,000円

※手術日決定後に金額一部を前金としていただきます。
※術後1カ月の診察代も含みます。

Add Onレンズ

  乱視なし 乱視あり
Add Onレンズ(単焦点)  片眼 270,000円 片眼 320,000円
Add Onレンズ(多焦点) 片眼 360,000円 片眼 460,000円
Add Onレンズ(特注) 片眼 460,000円 片眼 460,000円
※手術決定後に前払いでお支払いいただきます。レンズ注文後は返金できませんのでご了承ください。
※手術後1カ月間の診察代が含まれます。
※笑気麻酔ご希望の際は、別途5,000円(税込)かかります。