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オルソケラトロジー

オルソケラトロジーとは

オルソケラトロジーは、特殊なコンタクトレンズを使用して角膜を矯正し、視力の回復を目指す治療法です。この治療法では、コンタクトレンズを装着することで角膜の中央部を平坦化し、近視を矯正することができます。また、レンズを寝る前に装着し、眠っている間に治療を行うことができるため、日中はレンズを外して裸眼で生活することが可能です。近視抑制を目的とした装用では、6~18歳での治療が有効とされています。

オルソケラトロジー治療の仕組み

オルソケラトロジーは、コンタクトレンズによって角膜の形状そのものを矯正する治療法です。酸素透過性に優れたハードコンタクトレンズが使用され、レンズ内面には複数のカーブが施されています。これにより、角膜が穏やかに、時間をかけて整えられます。

レンズは就寝前に装用することで、眠っている間に角膜前面の形状が平坦化し、近視が矯正されます。レンズを外した後も角膜は一定時間その形状を維持するため、日中は裸眼で快適に過ごすことが可能です。ただし、装用をやめると角膜は徐々に元の状態へ戻るため、それに応じて視力も低下します。

角膜の厚さはおよそ0.5mmで、中程度の近視であれば、角膜形状を約10%変化させるだけで視力の矯正が可能です。

オルソケラトロジーの適応条件

オルソケラトロジーには適応条件があり、治療を希望される場合は、まず適応検査を受け、医師による診断が必要です。

一般的な適応の目安は以下のとおりです。

  •  近視の度数が-4.00D程度まで(中等度近視)
  • 乱視の度数が-2.00D程度まで
  • 年齢がおおよそ6歳から

ただし、角膜の形状や年齢などの個人差により、上記の条件に当てはまらない場合でも治療が可能なことがあります。オルソケラトロジーを検討されている方は、一度適応検査を受けてみることをおすすめします。

オルソケラトロジーを受けられない方

以下のような方は、オルソケラトロジーに不向きとされる場合があります。

  • 妊娠中または授乳中の方、妊娠の可能性がある方
  • レーシックなどの屈折矯正手術を受けた経験がある方
  • 円錐角膜と診断されている方
  • 重度のドライアイの方
  • レンズの正しいケアが難しい方(お子様が使用する場合は保護者の管理が必要です)
  • 定期的な検診に通えない方
  • 十分な睡眠時間が確保できない生活を送っている方
  • 職業上、常に安定した視力が求められ、視力に変化が生じた際に業務を一時的に中断できない方

なお、上記に当てはまる場合でも、医師の判断により治療が可能となるケースもあります。オルソケラトロジーをご検討中の方は、まずは適応検査を受け、気になる点は遠慮なくご相談ください。

オルソケラトロジーのメリット

メガネやコンタクトレンズなしで快適な日中生活が可能

オルソケラトロジーを使用することで、日中は裸眼で過ごせるため、授業中にメガネをかける必要がない学生の方や、メガネの使用が難しい職業に就いている方にも適しています。また、コンタクトレンズの装用に不快感がある方や軽度の花粉症の方にとっても、裸眼で快適に生活できる点が大きなメリットです。

子どもの近視進行を抑える効果が期待できる

オルソケラトロジーには、子どもの近視進行を抑制する効果があるとする研究報告が多数あります。近視はおおよそ20歳頃まで進行するとされており、強度近視になると、将来的に黄斑変性症・網膜剥離・緑内障など、深刻な目の病気を発症するリスクが高まります。そのため、成長期のうちに近視の進行を抑えることは、視力の健康維持において重要です。

裸眼でスポーツを楽しめる

格闘技や水泳など、通常のコンタクトレンズの使用が難しいスポーツにおいても、オルソケラトロジーを活用すれば裸眼でプレーが可能になります。野球・サッカーといった屋外スポーツから、スイミング・サーフィン・スキューバダイビングといった水中スポーツまで、視力を気にせず楽しむことができます。

治療の中断で元の状態に戻せる安心感

オルソケラトロジーは手術ではないため、レンズの装用を中止すれば角膜は徐々に元の状態へ戻ります。「手術が怖い」「術後の合併症や後遺症が心配」という方にも安心して選んでいただける、可逆的な視力矯正法です。

オルソケラトロジーのデメリット

継続的な装用が必要です

オルソケラトロジーは毎晩の装用によって視力を維持する治療法です。装用を中止すると、角膜は徐々に元の形に戻り、視力も元に戻ってしまいます。そのため、効果を維持するには継続的な使用が欠かせません。

レンズケアと定期的な検診が重要です

オルソケラトロジーのレンズは、正しくケアしないと充血・痛み・感染症・レンズのズレ・乱視や光のにじみといった症状が生じることがあります。これらは通常のハードコンタクトレンズでも起こりうる問題ですが、オルソケラトロジーでも十分な注意が必要です。特にお子様が使用する場合は、保護者の方による毎日のケアの管理が大切です。当院では、初めて使用される方やお子様に対しても、丁寧なケア指導とサポートを行っております。また、定期的な検査によって目の健康状態やレンズの適合を確認することが、安全な治療の継続につながります。

夜間に光がにじむ「ハロー・グレア」が生じることがあります

装用初期には、夜間のライトや街灯がにじんで見える「ハロー」や「グレア」と呼ばれる現象が起こることがあります。多くの場合は徐々に慣れて気にならなくなりますが、見え方に支障がある場合は、医師にご相談ください。必要に応じて、レンズの度数や形状の調整、または一時的な使用中断が検討されます。違和感や不安を感じた際は、遠慮なくご相談いただくことが大切です。

オルソケラトロジーをやめた理由

オルソケラトロジーは多くのメリットがある治療法ですが、中には治療を中止される方もいらっしゃいます。その理由は様々で、やむを得ない事情があったり、日常生活やライフスタイルとの相性が合わなかったりすることが挙げられます。

トラブルによる治療中断

オルソケラトロジー治療中に合併症やアレルギー反応が生じた場合、医師の判断で治療を一時中止または中断することがあります。軽度の充血であれば、数日間の使用休止で回復することが多いですが、角膜炎や角膜感染症などの重い症状が出た場合は、治療を一旦中止し、合併症の治療に専念する必要があります。

これらのトラブルを防ぐためには、レンズの正しい使用方法と丁寧なケア、清潔な管理が重要です。きちんとした取り扱いを続けることで、リスクを大幅に下げることができます。また、アレルギー反応は個人差が大きく、アレルギー性結膜炎を発症している場合は、症状によっては継続が難しくなることもあります。違和感や異常を感じた際は、速やかに眼科を受診してください。

ライフスタイルに合わなかった場合

オルソケラトロジーが生活スタイルに合わず、期待していた効果が得られなかったという理由で治療をやめる方もいます。たとえば、

  • 定期的な検診に通えない
  • 毎日のレンズケアが負担に感じる
  • 6時間以上の十分な睡眠が確保できない

などが挙げられます。治療が安定してからも約3ヶ月ごとの定期検診や、毎晩の装用・ケアが必要となるため、実際に始めてみてから生活に合わないと感じる方もいます。また、進学や就職などで生活リズムが変わり、睡眠時間の確保が難しくなる場合もあります。

成長が落ち着いたことによる終了

オルソケラトロジーを近視進行の抑制目的で行っていた場合、成長期の終わりとともに治療を終了するケースがあります。特に高校生頃になると、身長や身体の発達が落ち着き、近視の進行も緩やかになるため、終了の目安とされることがあります。

また、学業の忙しさなどで十分な睡眠時間が取れなくなったり、装着・ケアの継続が難しくなったりすることも理由の一つです。ただし、近視の進行が完全に止まっているとは限らないため、治療を続けるかどうかは医師とよく相談して判断しましょう。なお、「日中を裸眼で快適に過ごしたい」という理由で、引き続きオルソケラトロジーを継続する方もいます。年齢だけで中止を決める必要はありません。

老眼による視力の不安定化

40歳を過ぎると老眼の影響でピント調節力が低下し、オルソケラトロジーで遠くがよく見えるようになっても、近くが見えづらくなることがあります。その結果、視力のバランスが崩れ、治療を中止される方もいらっしゃいます。

このような場合は、レンズの度数を調整したり、手元用のメガネを併用したりしての対応が可能です。継続するか中止するかは、日常生活の快適さや視力の状態をふまえ、医師と相談しながら決めることが大切です。メガネやソフトコンタクトレンズでの屈折矯正、IPCL(眼内コンタクトレンズ)での老眼への対応を検討することも一つの選択肢となります。

オルソケラトロジー治療のスケジュール

1適応検査

一般的な眼科検査と、オルソケラトロジーの適性検査を行います。

検査には約2時間程度の時間を要します。

現在コンタクトレンズを着用している場合は、検査前にコンタクトレンズを着けない期間を設ける必要があるため、一度ご連絡ください。

なお、オルソケラトロジーの適応検査は適応の有無に関わらず、検査代金が発生します。

※初診の方は後日の適応検査になります。

2テスト装用・仮契約

目に最適な形状のレンズをお選びするため、まず1時間程テストレンズを装用していただき診察を行います。

その後、1ヶ月の仮契約期間を通して適切なレンズであったかを検査します。

仮契約期間中に中止する場合は現金で返金いたします。

なお、ハードコンタクトをつけて就寝するため痛みや異物感を感じることがあります。

※当院では、「マイエメラルド」「メニコン」「アエリア」に対応しています。

3治療開始

最適なレンズが選べたら、本契約として治療を開始します。

4定期検査

本治療開始から2~3ヵ月ごとに定期検査を行います。

目の状態によって、定期検査以外にも受診が必要になることがあります。

また、定期検査をお受けいただけない場合には治療を中断することがあります。

オルソケラトロジーの費用

仮契約(1ヶ月トライアル)

マイエメラルド・メニコン 費用(税込)
テスト費用(予約日) 5,500円

1ヶ月トライアル

(保証金、ケア用品代5,000円を含みます。)

※中止の場合、22,000円返金いたします。

49,000円
アエリア 費用(税込)
テスト費用(予約日) 5,500円

1ヶ月トライアル

(保証金、ケア用品代5,000円を含みます。)

※中止の場合、39,500円返金いたします。

84,000円

本契約

マイエメラルド・メニコン 費用(税込)
両眼の製品レンズ 93,500円
片眼の製品レンズ 46,750円
アエリア 費用(税込)
両眼の製品レンズ 95,500円

片眼の製品レンズ

47,750円

※治療を開始された場合、1週間トライアルの保証金は返金されません。

定期検査費用

  費用(税込)
定期検査(1回) 5,500円

※毎回必要です。その他、適宜ケア用品の追加購入が必要となります。

レンズの破損・紛失・更新費用

マイエメラルド・メニコン 費用(税込)
レンズの破損・紛失・更新(1枚) 46,200円
アエリア 費用(税込)
レンズの破損・紛失・更新(1枚) 46,200円

※処方交換6か月以内に1回まで、破損1年以内に1枚につき1回まで保証の対象となります。

レンズの紛失は保証の対象外となります。予めご了承ください。

※オルソケラトロジーにおける治療費は、医療費控除の対象となります。10万円を超える場合は補助があります。詳しくは国税庁のホームページをご確認ください。