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翼状片

翼状片とは

翼状片(よくじょうへん)とは、結膜(白目)から角膜(黒目)に向かって、三角形の形をした血管を伴う異常な組織が徐々に伸びてくる目の病気です。特に鼻側から黒目へ向かって伸びるケースが多く見られます。この組織は、本来透明であるはずの角膜の一部を覆ってしまい、進行すると視力に影響を及ぼすことがあります。

翼状片の主な原因は、長時間にわたる紫外線の曝露、乾燥、埃などの物理的刺激と考えられています。特に屋外で仕事をしている方(例:農業や漁業に従事している方)や、紫外線の強い地域に住んでいる方は、発症のリスクが高くなる傾向にあります。また、年齢とともに発症率も上昇し、50歳以上の中高年層で多く見られます。

翼状片は、がんのような悪性の腫瘍ではありませんが、進行性の病気です。そのまま放置しておくと、角膜の中央にまで達して視界を妨げたり、角膜の形状を歪ませて乱視を引き起こしたりすることがあります。重症の場合には、視力の低下をもたらし、最終的に手術が必要になることもあります。

翼状片に似た病気

翼状片とよく似た外観を呈する病気も存在します。自己判断せず、必ず眼科で正確な診断を受けることが大切です。

  • 瞼裂斑(けんれつはん):紫外線や乾燥の影響で結膜に黄色っぽい膨らみができる良性の変化
  • 結膜炎やアレルギー性結膜炎:充血やかゆみ、異物感などを伴う炎症性疾患
  • 腫瘍性疾患(デルモイドなど):翼状片と見た目が似ているが、全く異なる病態

これらの病気との区別が必要なため、目に異常を感じた際は眼科医による検査が重要です。

翼状片の症状

初期の翼状片では、ほとんど自覚症状がないこともあります。ただし、以下のような症状が現れることがあります。

  • 白目から黒目にかけて三角形の膜のようなものが張ってくる
  • 目の充血が慢性的に続く
  • 異物感やゴロゴロした感じ
  • 目の乾きや軽いかゆみ
  • 進行すると乱視がひどくなる
  • 視界のぼやけ、視力低下

特に、黒目の中心(瞳孔)まで翼状片が伸びてくると、視界に直接影響を与えます。そうなる前に、眼科での適切な診断と治療が求められます。

翼状片の原因はストレス?

翼状片の主な原因は紫外線などの外的刺激ですが、ストレスが間接的に発症や進行に関係する可能性も指摘されています。過度なストレスは自律神経のバランスを崩し、目の乾燥や免疫力の低下などを招くことがあるため、眼の健康全体に悪影響を及ぼすことがあります。精神的な疲れが目に現れることもあるため、心身のケアも翼状片の予防や進行抑制には重要です。

翼状片の検査

眼科では、細隙灯顕微鏡という器械を用いて目の表面を拡大して観察します。

これにより、翼状片かどうかを判別することができます。初期段階では、肉眼で気づきにくいこともあるため、定期的な検査が重要です。

似た症状の病気(偽翼状片、結膜腫瘍など)との見分けがつきにくい場合もありますので、素人判断は避けましょう。

翼状片はどうやって治すの?

軽度の翼状片で、視力に大きな影響がない場合は経過観察を行い、進行を見守るケースが多いです。ただし、炎症や充血がひどい場合には、ステロイド点眼薬などの処方で一時的な症状緩和が可能です。

しかし、翼状片が角膜中央に達したり、乱視や視力低下などの機能的な障害が現れた場合は、手術による治療が必要になります。手術では、角膜に侵入した異常組織を切除し、切除部分を正常な結膜で覆って縫合します。

再発の可能性がある場合や若年者の手術では、マイトマイシンC(抗がん剤の一種)を使用して、組織の再増殖を抑える術式を併用することもあります。手術は局所麻酔で行われ、比較的短時間で終わるものの、術後の定期的な経過観察が必要です。

目の翼状片は自然に治りますか?

結論から言えば、翼状片は自然に消えることはありません。良性の病気であるものの、進行性の病気であり、時間の経過とともに角膜の覆われる範囲が広がっていきます。角膜の1/3以上に広がると、視力に影響を与え始め、手術の対象となります。

炎症や充血などの症状に対しては、目薬などで緩和できますが、翼状片そのものを点眼治療で治すことはできません。根本的に治すには、外科的な対応が唯一の手段です。

翼状片(白目の三角形の膜や目の充血)はご相談ください

翼状片は一見、軽い目の異常に見えるかもしれませんが、放置してしまうと視力に重大な影響を与える可能性がある病気です。屋外での活動が多い方や紫外線に日常的にさらされる方は、予防としてUVカットのサングラスや帽子の着用が推奨されます。また、目に違和感がある場合や見た目に異常が出てきた際には、早めに眼科を受診しましょう。早期発見・早期対応が視力を守る大きな鍵となります。