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ドライアイ

ドライアイとは

ドライアイとは、眼球を保護するために必要な「涙」の量が不足したり、涙のバランスが乱れることで、涙が目の表面に十分かつ均等に行き渡らなくなる病気です。言い換えれば、「涙の異常による眼の病気」と言えます。涙の保護が不十分になると、わずかな刺激でも角膜に傷がつきやすくなり、それが繰り返されることで炎症や視力低下を招くこともあります。

一般的には「目が乾く」という軽い症状として捉えられがちですが、決して軽視してはいけません。症状がある場合は、できるだけ早く大阪市旭区のうえの眼科など専門医に相談し、適切な治療を受けることが大切です。

近年では、パソコンやスマートフォンの長時間使用、エアコンの普及、コンタクトレンズ装用者の増加などを背景に、ドライアイの患者数が増加しており、国内だけでも2,000万人を超えると推定されています。

涙の役割

涙は、眼球を守る上で欠かせない存在です。涙は涙腺で分泌され、瞬きのたびに目の表面全体に行き渡ります。古くなった涙は、目頭近くにある涙点から排出されるか(約90%)、約10%は蒸発します。

このように常に新しい涙で目の表面が覆われることで、外部からの刺激や乾燥から眼球を守っています。

ドライアイの症状

次のような症状が見られる場合は、ドライアイの可能性があります。

  • 目が乾燥する
  • 目がしょぼしょぼする感じがある
  • 目がかゆい、または痛みを感じる
  • 目に異物感がある
  • 目が疲れやすい
  • 目が充血している
  • 視界がかすんだり見えにくくなる
  • 白っぽい目やにが出る
  • 光がまぶしく感じる
  • 特に何もしていないのに涙が自然に出る

ドライアイの原因

加齢による影響

加齢に伴い、涙の量が減少し安定性が低下することが指摘されています。

性別の影響

女性は男性よりもドライアイになりやすいと言われています。

乾燥した環境の影響

冬場などの乾燥した環境では、涙が蒸発しやすくなり、ドライアイが起こりやすい季節とされています。現在では、エアコンの使用が普及しており、加湿器の使用や直接的な風を避けることが推奨されています。

VDT(Visual Display Terminals)作業の影響

長時間にわたるパソコンや携帯端末の画面を見る作業は、まばたきの回数を減少させ、ドライアイを引き起こしやすくします。

VDT症候群・IT眼症

喫煙の影響

たばこの煙に曝されると、涙の質が低下する可能性があります。

コンタクトレンズの影響

コンタクトレンズの装用は、涙の蒸発量を増加させ、ドライアイの原因となり得ます。特にソフトコンタクトレンズは、瞬きの際に目の表面と摩擦が生じやすく、炎症や乾燥のリスクを高めるとされています。また、レンズの清潔さも涙の安定性を低下させ、ドライアイのリスクを増大させます。

マイボーム腺機能不全(MGD)の影響

まぶたのマイボーム腺が詰まることで、油分の分泌が減少し、ドライアイの原因となることがあります。

結膜弛緩症の影響

結膜の弛緩により、涙が眼表面に留まりにくくなり、眼球との摩擦により傷つきやすくなります。

内服薬や点眼液の影響

抗コリン作用のある向精神薬などの内服薬や、防腐剤を含む点眼液は、涙の分泌を減少させる可能性があります。これにより角膜に影響が出ることがあります。

シェーグレン症候群の影響

自己免疫疾患であるシェーグレン症候群では、涙や唾液の分泌が低下し、ドライアイの症状が生じることがあります。

ドライアイの検査

シルマー検査

シルマー検査は、涙の分泌量を測定する検査です。

目盛り付きの専用濾紙をまぶたの涙点に挟み、5分間で濾紙にどのくらい涙が染み込むかを確認します。

短時間で簡単に行え、結果も明確に判断できるため、多くの眼科で広く実施されている基本的な検査方法です。

濾紙の濡れた幅が10mm以上なら正常範囲とされ、5mm以下だとドライアイの疑いがあります。

細隙灯顕微鏡検査

細隙灯顕微鏡検査は、スリットランプという顕微鏡を使い、角膜や結膜の傷や状態を詳しく調べる検査です。

特殊な染色液を点眼すると、角膜や結膜の傷や凹凸が色づき、より詳細な観察が可能になります。

この検査では目の表面だけでなく、眼底の極周辺部や虹彩根部の隅角も観察できるため、全身疾患や眼の外部疾患の発見にも役立ちます。

虹彩炎や白内障、後部硝子体剥離などは、この検査でのみ発見や経過観察が可能とされています。

BUT検査

BUT検査は、涙の層の安定性を調べ、乾燥しやすさを判断する検査です。

BUTとは涙液層破壊時間のことで、10秒間まばたきをせずに目を開けた状態で、涙の層が何秒で壊れるかを測定します。

BUTが5秒以下の場合は涙の安定性が低く、ドライアイの可能性が高いと判断されます。

ドライアイの治療

点眼治療(目薬)

軽度のドライアイには、目の潤いを保つための点眼薬で症状を和らげることができます。

人工涙液やヒアルロン酸製剤のほか、ムチンや水分の分泌を促すジクアホソルナトリウム、ムチン産生を促進するレパミピドなど、ドライアイの種類に応じて適切な点眼薬を使い分けます。

涙点プラグ

重度のドライアイには、涙の排出口である「涙点」をプラグで塞ぐ治療が効果的です。涙が目の表面に長くとどまり、症状の改善が期待できます。

シリコン製プラグ

直径0.5〜1.0mmほどのシリコン製プラグは、患者様の涙点の大きさに合わせて選びます。麻酔を行ってから挿入するため、痛みはありません。定期的に来院していただき、涙が溢れる場合はプラグを抜くなど調整を行います。抜かない限り効果は持続します。

液状コラーゲンプラグ

キープティア液状コラーゲンプラグは、低温では液体ですが、体温近くでゼリー状に変化します。涙点に注入すると、ぴったり合う形でゼリー状になり、涙の排出を防ぎます。ただし、約3ヶ月で少しずつ分解または排出されるため、効果を保つには定期的な注入が必要です。乾燥する冬場だけ使用したい方に特におすすめです。

涙点プラグによる治療費用

  3割負担の場合 1割負担の場合
片眼1涙点 約3300円 約1100円
片眼2涙点 約4500円 約1500円

まぶたを温める(温罨法)

まぶたを温めることで、マイボーム腺の脂を溶かし、まぶた周辺の血流を改善します。まぶたとその周囲の温度を一定以上に上げて、しばらくその状態を保つことがポイントです。

この方法は国際的にも効果が認められている、自宅で簡単にできるケアです。目が楽になったり開けやすくなったり、心地よさを感じるといった副次的な効果も期待できます。

  • まぶたを約38℃で5分間じっくり温める
  • 温めた後、指の腹でやさしくまぶたをマッサージする
  • 1日2回(朝と夜)、各5分ずつ行うと効果的

※変形して固まったマイボーム腺の脂を溶かすには、36℃以上の温度が必要です。

※花粉症などアレルギー性結膜炎のある方は、目を温めることで充血やかゆみが悪化することがあります。

眼瞼清拭(リッドハイジーン)

眼瞼清拭は、汚れや固まった脂、角化物を除去し、マイボーム腺周囲の細菌を減らすためのケアです。指の腹を使ってまつ毛の根元周辺をやさしくマッサージすると効果的です。温罨法と併用することで、より高い効果が期待できます。

  • 指の腹でまつ毛の根元をやさしくマッサージする
  • 鼻側から耳側へ(内側から外側へ)一方向に動かす
  • 温罨法の後に行うと効果が高まる
  • 洗顔や歯磨きと同じように毎日続けるのが望ましい

IPL治療(自費)

光治療は、有害な紫外線をカットした優しい光を肌に照射する美肌治療です。シミやそばかす、赤ら顔、ニキビといった多様な肌トラブルの原因に直接アプローチします。光の熱がコラーゲンの生成を促進し、内側から肌のハリやキメを整える効果も期待できます。

痛みや肌への負担が少なく、悩み別に光の波長を調整できるため、美容医療が初めての方でも安心です。継続的な治療で、より高い美肌効果が得られます。

IPL治療(自費)

ドライアイの予防

ドライアイの多くは、VDT(パソコンやスマートフォンなどの画面)を長時間使用する生活習慣が影響しています。そのため、日々の注意でドライアイを予防し、悪化させないことが非常に重要です。

目の乾燥対策

目が乾くと眼精疲労が進行しやすくなるため、以下のポイントを意識しましょう。

  • まばたきの回数を増やし、涙で目をしっかり潤す
  • 加湿器を使うなどして室内の乾燥を防ぐ
  • エアコンの風が直接目に当たらないようにする
  • コンタクトレンズの使用を控え、眼鏡を使うようにする

パソコン作業の工夫

作業環境や方法、時間に気を配ることが大切です。

距離の調整

目とモニターの距離は40cm以上を目安にしましょう。背筋を伸ばすだけでも自然と距離がとれます。
奥行きの狭い机や高さが合わない椅子、狭い場所での作業はこの距離を確保しづらいため避けるのがおすすめです。
また、40cmの距離をとっても文字が読みづらい場合は、必要に応じて眼鏡やコンタクトレンズを使いましょう。

環境の調整

モニターの明るさは500ルクス以下、手元(書類やキーボード周り)は300ルクス以上に調整すると目の負担が軽減されます。
また、直射日光が画面に当たらないようにカーテンやブラインドで調節してください。

目を休める

パソコン作業中は20分ごとに20秒程度、遠くを見るなどして目を休ませましょう。
休憩が取りにくい場合は、モニターを見ない作業に切り替えたり、窓の外を眺めるだけでも効果があります。

ドライアイのコンタクトはどう選ぶ?

一般的には、ハードコンタクトレンズの方がドライアイのリスクが低いとされています。しかし近年は、保水性に優れたソフトコンタクトレンズもドライアイ対策として利用されています。

コンタクトレンズの選択は、屈折異常の種類や使い勝手なども踏まえ、眼科医と相談しながら決めることが重要です。ドライアイだからといってハードかソフトかを単純に選ぶのではなく、様々な視点から総合的に判断することが大切です。